専用インナーバッグでオンオフ切り替え!毎日使えるレザートート
シンプルですが、中にインナーバッグ(別売り)が取り付けられる仕様です。ラフなレザーバッグとしてだけではなく、仕事用、休日用と用途に合わせて仕様を変えたインナーバッグを使うことによって、様々な表情を見せる一品です。
台東区にアトリエを構える革製品ブランド、yourth(ユアース)。今年から本格的にブランドとして活動を始め、仕事用と休日用でカバンを使い分けられる便利なインナーバッグが注目されています。今回はそんなyourthのデザイナーである寺島さんにブランド立ち上げの経緯と、ものづくりへのこだわりをお伺いしました。
ーyourthはまだ立ち上がったばかりのブランドとお伺いしました。ブランド立ち上げを決意されたきっかけを教えていただけますか。
寺島さん:服飾雑貨メーカーで商品企画の仕事をしていたのですが、企画するだけではなく自分の手で作りたいと思うようになったことがきっかけです。
商品企画担当として職人さんに製作を依頼する中で、職人さんに出した要望が難しいと断られることがありました。その時に自分自身で作ったことがなかったため、本当に作れないのか分からず、諦めざるを得なかったんです。自分でもし一から製作することができれば、職人さんと対等に議論することができる。自分が作りたいと思ったものを世の中に出すことができる。そう思ったのが始まりでした。

ーそこからすぐにブランド立ち上げに動かれたのですか。
寺島さん:自分の手で作りたいと思ったのは、入社3年目の頃の話です。その後、上司に掛け合い、社内で工房を立ち上げてもらいました。そこから、本やネットで学んだり、教室で学んだりしながら勉強。商品企画の仕事と並行して、工房で革小物を作る生活が続きました。寝ている以外はずっと仕事をして手を動かす日々でしたね。独立を決めたのは前職で10年働いた後の話です。

ー満を期してのブランド立ち上げだったのですね。何が独立の後押しとなったのでしょうか。
寺島さん:毎日忙しくも楽しく、気づいたら10年が経っていたという感覚でした。が、将来のことを考えた時に、もっとプライベートを優先することができ、自分のペースで自分の作りたいものが作れるような環境に身をおきたいと思いました。ちょうどプライベートでも転機のあったタイミングだったので退職を決意したという流れになります。
ー独立後、まずは何から取り掛かられたのですか。
寺島さん:ブランドのコンセプト作りです。「大切なものを大切にする」というテーマをどうやって形にしていくか。身の回りのものやそばにいる人を大切にするためのものづくりとは何か。こればっかり毎日考えていました。
ーそうして生まれたのがインナーバッグだ、と。
寺島さん:出掛けた時に、ふと自分のカバンを開いたら、大切なはずの所持品がカバンに無造作に放り込まれていたんです。大切にしているつもりでも全然大切にできていないことに、それを見て気づきました。
そこでカバンの中に入れていたものが一つずつ収まるポケットを作ってみることに。その結果、ポケットに1つずつものが収まる気持ちよさと、きちんと収納していることによる安心感、そして物を丁寧に扱えているという感覚を得ることができたのです。しかし、全てのカバンにオーダーメイドでポケットを作ることは難しいということも理解していました。
そんな中、大切にするとは長く使うことでもあると考え、長く使ってもらえる工夫としてインナーバッグを思いつきました。
寺島さん:インナーバッグを入れ替えるだけで、同じカバンを家族で共有することができたり、仕事用とプライベート用で同じカバンを使用したりすることができます。ポケット機能を持ったインナーバッグを開発することで「大切なものを大切にする」が実現できると考えました。
現在は仕事用と休日用の2種類ですが、今後はマザーズバッグとなる撥水と抗菌作用を持つインナーバッグや、アウトドアに使っていただける保冷機能のあるインナーバッグなど種類を増やしていく予定です。

ーシーンに合わせてどんどん増えていく予定なのですね!現在販売されているレザーバッグにも「大切なものを大切にする」が反映されているのですか。
寺島さん:大切なものを大切にすることの1つに長く使うことがある。というところからレザーバッグも長く使っていただけるよう、修理に出しやすい設計を意識して作りました。カバンの修理で多いのはハンドルと内側の生地の取り替えです。いずれも取り替えが簡単にできるようにすることで、修理費が最低限に収まるよう設計しています。
ーまだまだブランドは始まったところかと思いますが、今後の目標などがあればぜひ教えてください。
寺島さん:これからの目標はシリーズを増やし、シリーズごとにファンを作ることです。今あるシリーズは「大切なものを大切にする」ですが、次は「大切な人を大切にする」をテーマに身近な人と一緒にお揃いや色違いで使っていただけるような革小物を企画中です。
また、将来的には長く使っていただいたカバンをリメイクするサービスも始めたいと考えています。実は、今販売しているバッグもリメイクを意識した設計になっているんです。「大切なものを大切にする」という感覚を、多くの人にyourthを通して感じてもらえたらいいなと思っています。
ご自身のライフステージの変化にあわせて新たな一歩を踏み出された寺島さん。前職での経験を活かしながら、「大切なものを大切にする」というテーマを大事に、商品開発を進められているのが印象的でした。まだまだ始まったばかりのyourthのこれからに引き続き注目していきたいと思います。

Profileてらしま くみこテラシマ クミコ
メーカーにて服飾雑貨全般の商品企画を12年間担当。兼任で、社内で革製品の工房を立ち上げを担当し、企画から量産までの一連を経験する。
独立後は、仕事、家事、育児のバランスを大切に生活することを目標にしながら、『大切なものを大切にする』ことのできる製品づくりを目指す。