身につける人を引き立てる表情豊かなジュエリー
ブランドのアイコンにもなっている撚り線を用いたデザインをはじめ、このジュエリーの持つ凛とした佇まいは唯一無二のもの。身につけるだけで気持ちが上がる、性別にも年齢にもとらわれない一品です。
Philliamm(フィリアム)は真幸さん・美鈴さん夫婦が2年前に立ち上げたジュエリーブランドです。はじめてこのブランドのジュエリーを目にした時に唯一無二だと感じたのは、男性ものでも女性ものでもないジェンダーレスなデザインでした。今回は、凛とした佇まいのこのジュエリーブランド立ち上げのきっかけと、ジェンダーレスデザインへのこだわりをお二人にお伺いしました。
二人だからこそできるジュエリーを
ーブランドを立ち上げて2年とのことですが、まずはブランドの立ち上げの経緯を教えていただけますか
美鈴さん:元々単純にユーザーとして服やジュエリーが好きでした。出会った当初、彼はジュエリー制作の修行中だったのですが、私がたくさん指輪をつけていたら、彼がそれに興味を示し……彼が自分のブランドを立ち上げると決めた時、想像していた以上に様々な相談をされ、多くの時間をブランド設立に使ううちに、ブランドをより良くするために、私にもやれることが沢山あると実感し、一緒にやる覚悟を決めました。私の欲しいと思ったジュエリーや、ユーザーの目線でこんなものがあれば良いなと思うジュエリーを彼が形にしてくれています。
真幸さん:彼女に会った時、たくさんの指輪をつけていることもそうでしたが、自分がつける指輪とは全然違う、細くて華奢な指輪をつけていることがとても新鮮でした。職人さんの元で修行していたこともあり、ジュエリーを作る際、どうしてもデザインより耐久性を意識してしまったり、作りやすさを重視して作ってしまったりと作り手側の目線になりがちなことに課題を感じていたんです。

真幸さん:そんな中、彼女と話しているとその固定概念などがなくなっていく感覚がありました。ブランドを立ち上げるなら、一人よりも彼女のように新しいアイディアやユーザー目線の意見をくれる人と一緒にやった方がブランドの可能性も広がると思い、一緒にブランドを始めることにしたんです。
ーフィリアムには夫婦でやるブランドだからこその強みがたくさんありそうですね。
真幸さん:デザイン性はもちろん、実用性があるか、価格はいくらにするかなど全て二人で話し合って決めているので、スピード感を持ってジュエリーを作ることができていると思います。
美鈴さん:価格とデザインのバランスが取れているのも、フィリアムの強みだと思います。見た目と価格がちゃんと見合っているか、自分ならいくらだったら買うかをきちんと話し合って価格を設定しています。
真幸さん:外出した際は二人でよく洋服や小物の値段当てゲームをするんです(笑)。流行りや物価高騰などがある中で、いくらで販売するのが適切かの判断力が、実はこれで磨かれていると思います。
ジェンダーレスデザインを大事にする理由
ーフィリアムの特徴としてジェンダーレスデザインというキーワードもあるかと思います。ジェンダーレスというテーマを大事にものづくりをされている理由を教えてください。
真幸さん:よくジェンダーレスというとユニセックスと捉えられることがあるのですが、これらはまた別のものだと私たちは思っています。ジェンダーレスデザインに明確な定義はなく、ジェンダーレスデザインが何かとは考えても考えても答えのないものだと思っているんです。
そんな中で、フィリアムがジェンダーレスデザインとは何かを考え続け、それをお客様にジュエリーを通して体感してもらうことで、ジュエリーの可能性や、お客様自身の可能性を広げられると思っています。
美鈴さん:ブランド名に入っている「フィリア」とはギリシャ哲学における「愛」の一種で、「最大の利他は最大の利己」という意味を持ちます。フィリアムはブランドのテーマに「最大の利他は最大の利己」を掲げています。簡単な言い方をすると、他人の幸せを考えることが自分の幸せに繋がるということだと私達は思っていて、ジェンダーレスを考えることで、ジュエリーやファッションといった限られた世界の中だけでも性別という制限を取っ払い、誰もが自由に生きられる理想的な社会の実現に繋がったらいいなと思っています。
ー正解がないテーマを考え続け、ブランドとお客様が一緒に考えることで生まれるものを、ジュエリーとして形にしようとされているんですね。

真幸さん:私たちは「〜らしさ」を否定するためにジェンダーレスを掲げている訳ではありません。むしろ、女性らしいデザインや男性らしいデザインなどのジュエリーと一緒にフィリアムのジュエリーをつけていただいてもお互いのブランドの良さが引き立つべきだと思っています。ファッションをより楽しんでいただくための1つの提案として、ジェンダーレスデザインも取り入れていただけたら嬉しいです。
個性を引き立てる新しいジュエリー
ーブランドロゴのデザインにも、お二人のメッセージが込められているのでしょうか。
真幸さん:そうですね。イタリアに旅行に行った際、美術館などで装飾に撚り線が使われているのが印象に残ったのがきっかけです。日本でも神社のしめ縄が撚り線になっていて、撚り線が何かを守ってくれたり、繋げてくれたりするイメージがあったので、ロゴに取り入れることを決めました。
美鈴さん:ロゴでは2本の線をあえて異なる色にしています。これは個性を残しながら引き立てるイメージを強調したかったからです。お互いを尊重しながら、支え合いながら、より良い世界が作れたらという思いを込めています。この撚り線はフィリアムのジュエリーのデザインにも象徴的に取り入れています。

ー最後にブランドの今後について教えてください。
真幸さん:ブランド立ち上げ当初考えていた上品で汎用性の高いジュエリーは、この2年間で一通り作れたかなと思っています。なのでこれからは、よりジェンダーレスデザインを意識した上でデザイン性の高いジュエリーも作っていきたいなと考えています。答えのない問いを考え続けることで、これまで作ってきたジュエリーのデザインがどう表現を変えて形にできるかがとても楽しみです。
美鈴さん:ジュエリーは個性的なデザインであっても服に合わせると実はとても合わせやすくて使いやすいことがあります。それを多くの人に伝えていきたいです。お化粧をすることやネイルをすることで気分が上がったり、自信がつくといった方がたくさんいるかと思いますが、ジュエリーも同じだと思っています。これから年齢や性別を問わずもっとたくさんの人にフィリアムのジュエリーを楽しんでいただけるよう頑張っていきたいです。

インタビューの際に、実際にブランドのアイコンにもなっている撚り線を制作する工程を見せていただきました。撚りの強弱が出ないように、手で微調整をしながら2本の金属をじっくりと撚っていく作業は思った以上に手間と時間がかかるものだったので驚きました。
こうやって手間暇をかけて完成する撚り線のように、Philliammのジュエリーは真幸さん、美鈴さんが作り上げてきたもの。1人ではなく2人だからこそ完成するのだというジュエリーが唯一無二な理由がわかる気がしました。

Profile阪本真幸・美鈴サカモトマサユキ、ミスズ
ブライダルジュエリー製造に従事していた真幸と、メディア関連の仕事をしている美鈴が、真幸の独立をきっかけに、ジェンダーレスデザインを考えるブランド「Philliamm」をスタート。お客様の可能性が広がるモノ・コトを日々模索中。