頑張らなくてもかぶるだけでサマになる帽子
NAMIKI chapelièreの帽子は、様々なテイストが揃っていますが、どれも日常使いできるのが共通点。気の利いたデザインで、普段帽子に慣れていない方でも、気張らず格好よくかぶれます。
台東区の蔵前に拠点を構えるマルコカンパニー。4年前に古民家を改造し、一階にショップ兼ショールーム、二階にアトリエを構えた帽子づくりの会社です。ものづくりの町でもありここ最近ではお洒落なカフェやレストランが多く、たくさんの人が訪れる蔵前。古いものと新しいものが上手に融合するそんな町でものづくりをするマルコカンパニーの前身となるのは、かぶり心地と気張らないおしゃれにこだわった帽子を手掛けていた、株式会社並木伸好デザインルームです。

代表の奈良さん、デザイナーの雲田さんにマルコカンパニー誕生の経緯とこだわり、そして今後の展望についてお話しいただきました。

ブランド譲渡からの始まり
ーマルコカンパニーは、株式会社並木伸好デザインルームの閉業から生まれた会社とお伺いしましたが、その時の状況を詳しくお聞かせいただけますか。
奈良:私は営業の責任者として、雲田はものづくりの責任者として、株式会社並木伸好デザインルームでお世話になっていました。しかし当時の代表の体調が優れなかったことや、コロナ禍で売り上げが厳しかったことなどから閉業する話が出てきたのがきっかけです。
営業の責任者をしていたので、会社の経営状況が厳しいことは私も理解していました。一方で事業内容を見直し、継続する事業とそうでないものをを取捨選択すれば、まだまだ会社としてやっていけるとも感じていました。そこで代表と相談して、歴史あるNAMIKI chapelièreというブランドを続けるべく、事業を譲り受けて4年前に始めたのがマルコカンパニーになります。
ー実際にブランドの譲渡を受けてマルコカンパニーを始めてみていかがでしたか。
奈良:卸先のお客様には会社の名前は変わるものの、私と雲田でマルコカンパニーとして営業を継続すると伝えたところ、スムーズに取引を移行していただくことができました。生地や材料の仕入先、生産をお願いしている工場さんも問題なく移管していただけたため、大きなトラブルなくマルコカンパニーとして始められたと思います。
現在、マルコカンパニーは私を含めたメンバー3人で動いています。順風満帆とは行きませんが、おかげさま経営も軌道に乗り始めたと感じています。
時代に合わせた商品開発と販売手段
雲田:以前は取引先やチームのメンバーも多く、管理しなければいけない業務が多くありました。今は一人のプレイヤーとして、企画・デザイン出しから生産まで一貫して担当しています。マネージメント業務がない分、商品開発に集中することができ、全体の流れを把握をしながら仕事に取り組めるようになったのはいい変化です。

ーNAMIKI chapelière というブランドとしてはいかがですか。
雲田:NAMIKI chapelièreは60年以上続いているブランドで、かぶり心地の快適さや気兼ねなくおしゃれを楽しんで頂ける、でもどこか品の良さを感じられる帽子だと私たちは考えています。そのブランドのテイストはもちろん大切にしながら少しづつ変化する時代やお客様のニーズに寄り添った商品を生み出せるよう意識しています。ショップ兼ショールームを持つようになり、リアルタイムでお客様の声を聞くことができるようになったからこそ、より一層その部分を企画に反映できるようになりました。
変わらないのは、私たちの手がける商品が、お客様の日常を彩るアイテムになれるよう日々意識して作り続ける事です。

ー「マルコ帽子店」としてのZoo collection(ズー コレクション)も新たな取り組みの一つでしょうか
奈良:この新しいコレクションは、上野駅周辺での販売イベントに参加した時に、パンダ柄の洋服や雑貨を身につけている方が想像以上に多く、パンダだけでなく色々な動物をモチーフしたグッズにニーズがあることを知りました。
私たちは台東区蔵前で事業を行っているので、地域に根差したアイテムを作りたいという思いもあり、上野動物園や地域のアイコンとしてのパンダをメインのモチーフにしたシリーズを、と思い企画したのがきっかけです。
雲田:Zoo collectionは、今までとは違うプロセス、コンセプトで企画された商品です。良く見るとパンダが隠れているようなデザインのベレーなどもあり、楽しんで着用して頂けると嬉しいです。上質な素材を使って、大人の女性にファッションとしてかぶってもらいたいコレクションです。
NAMIKI chapelièreではシンプルな定番商品が好まれていましたが、そうではないシリーズも徐々に売上に繋がるようになってきました。その背景には、SNSを通してECでの販売が可能になったことが大きいと感じています。以前はSNSを活用できていませんでしたが、マルコカンパニーになってからは時代に合わせて、売り方も少しずつ変えるようになったこともいい変化だと思います。
ものづくりを継続できる仕組みを担保したい
ーまだまだマルコカンパニーとしては始まったところかと思いますが、今後の展望についても教えてください。
奈良:今後はユニセックスのデザインも少しづつやっていきたいと思っています。というのも蔵前のお店にふらっと入ってきてくださる方に男性のお客様が意外と多く…男性にも私たちの商品を楽しんでいただける、シンプルで仕立ての良い帽子を作っていきたいです。
雲田:NAMIKI chapelièreのファンを大事にしながら、マルコカンパニーにしかない新しい商品を作っていきたいですね。原材料や工賃の値上がり、物流費、円安の影響などものづくりには厳しい状況が続いていますが、お客様に選んで頂ける商品を作り続けたいです。

ー確かに、素材の価格高騰はマルコカンパニーにとって逆風になりそうです。
奈良:どこの業界でも同じだと思いますが、素材の価格高騰や職人さんの高齢化などは切実な問題です。後継者がいないという現状に対して、私たちに出来ることはないかと日々考えています。シンプルに考えると、私たちのような事業者やブランドが継続的な発注をして工場や職人さんがしっかり報酬を得られる状況、環境を作ることだと思います。簡単なことではありませんが、より良い商品をお客様に提案し続けることによって、ものづくりの技術を、産業・文化として残せるようになればこんなに嬉しいことはありません。

雲田:蔵前を新たな拠点に選んで早4年が経とうとしています。台東区は製造者にも優しく、たくさんの魅力を持った街です。蔵前に引っ越してきた際、新参者の私たちを温かく迎えていただき嬉しかったのを覚えています。その町の良さが、ブランドにもきっと加味されているはずです。この町で、私たちも、私たちにしかできないものづくりを続けていけたら嬉しいです。

Profile株式会社マルコカンパニーカブシキガイシャマルコカンパニー
マルコカンパニーは、長い歴史を持つ婦人帽子ブランド『NAMIKI chapelière』の販売業務や、アパレルブランド向けのOEM事業を行っています。
「様々なライフスタイルにフィットする帽子のクローゼット」をコンセプトにアトリエ的ものづくり行い、シンプルでナチュラルなかぶり心地の良い帽子を台東区蔵前から提案しています。