東京生まれのファッション雑貨。台東区周辺の企業による、こだわりの靴・バッグ・財布・ベルト・帽子などを販売します。

水洗いできる革靴

ウォッシャブルレザーを使用しているので、濡れた後に乾いても柔らかく、革本来の風合いが保たれます。

【インタビュー】ハリくた

ハリくたは2023年3月に生まれたフットウェアブランドです。革靴なのに、中敷きを取れば丸洗いができることや、小さくたためること、革靴でありながらカジュアルさも持ち合わせています。

靴の概念を覆すこのブランドは、設計やデザインを行っているDESIGN TABLE COMと、メーカーのマーケティング・ブランディング支援を行う株式会社OREG-LABの2社によって生まれました。

今回はDESIGN TABLE COMの手島さんと、株式会社OREG-LABの西牧さんに、ハリくたの特徴や新しいフットウェアを作るにあたって苦労された点などをお話しいただきました。

靴屋よりも雑貨屋で販売されることが多いフットウェア

ー「ハリくた」は2つの会社が協同で運営しているブランドとのことですが、どのような経緯でブランド運営に至ったのでしょうか。また2社でどのように役割分担をされているかも教えてください。

西牧さん:
私は19歳の頃から靴屋で働くなど、長らく靴業界に携わってきました。そして靴メーカーを中心にメーカーのマーケティングやブランディング支援を行う中で、自分自身でもブランドをやってみたいと思うようになったのです。
私自身は靴の設計などには長けていないため、一緒に商品の開発とブランドの運営をできる方を探していたところ、先輩の知り合いだった手島さんとご一緒できることになりました。

手島さん:
私は靴の企画会社であるDESIGN TABLE COMに所属しており、靴の設計をメーカーから請け負ってきました。メーカーから共有される靴のデザインをもとに、型紙におこし、立体化していくのが私の仕事です。ハリくたではそれぞれが得意分野を活かして、分担しながら開発と販売を行っています。

ー「ハリくた」は一般的な靴と少し異なったフットウェアかと思います。

西牧さん:
ブランドを始めるのであれば、世の中にまだない靴を作りたいと思っていました。多様なライフスタイルが増える中で、靴も多様な使い方ができるようにすればいいのではないかと思い生まれたのがハリくたです。「自由なフットウェア」をコンセプトに、好きな時に好きな場所で使っていただける靴を目指しています。

「自由なフットウェア」と言っていることもあって、一般的な靴とは販売されている場所も少し違います。通常は靴屋さんで靴は販売されることが多いかと思いますが、ハリくたは靴屋さんよりも雑貨屋さんで取り扱っていただくことの方が多いのが特徴的です。

個性的でありながら実用的であることを追求

ー実際に販売してみて、お客様からの反応はいかがでしたか。

手島さん:
靴を丸洗いできる、というところに魅力を感じていただいていることが多いと思います。また、洗える靴はたくさん世の中にありますが、革靴だけど自由に様々なシーンで使えるといった洗えること以外の要素にも良さを感じていただけているのは嬉しいです。

実際に、スリッパとして履きたいという方もいれば、キャンプに行く時に履きたいなど、お客様によって異なる用途をイメージしていただいています。これも私たちが使い方を縛らなかったからこそだと思います。

まだまだ改良するべき点は残っていますが、この1年間ポジティブな反応を多くいただけたことは励みになっていますね。

ー世の中にまだない靴を作る中で、大変だったこと・苦労されたことはありましたか。

手島さん:
柔らかさがあるため爪が出てしまうことや、靴の長さが長く足が大きく見えてしまうことなど課題が多く、設計にはかなり時間がかかりました。
また、モールドソールを日本で作る場合、海外で作るのに比べて倍以上のコストがかかることも大きな課題でした。

西牧さん:
靴にはサイズがあるため、鞄などと異なり、複数のサイズを用意する上で発注数が増えてしまう大変さがあります。利益を確保しながらも、買っていただける価格帯を考えた際に、コスト面で苦労することは多かったです。

尖った商品や安い商品を作るのは簡単です。しかしハリくたは個性的で実用的な商品を、日本製でありながら高すぎない価格で提供することにこだわって作りました。

2社の強みを活かして業界を盛り上げていく

ーブランド始動からまだ1年。まだまだこれからかと思いますが、今後の展望についてぜひ教えてください。

西牧さん:
今後はデザインやカラーのバリエーションを増やしていきたいと思っています。直近だと冬に履いていただける本物のボアがついた少し高価格帯なフットウェアの開発を進めています。
また、アパレルやインテリア用品の開発も検討中です。張りがある革とくたくたの革を組み合わせて新商品の開発ができたらと思っています。

手島さん:
課題も多いですが、引き続きお互いの強みを活かして、既存商品の改良と新商品の開発に取り組んでいければと思っています。そしてハリくたで少しでも衰退しているこの業界を盛り上げられたら幸いです。

Profileハリくたハリクタ

靴なのか、スリッパなのか、サンダルなのか、ルームシューズか?
そんな決まったカテゴリーはなく、あなたが思うままに好きな時に使っていただくというコンセプトで製作されたのが“ハリくた“のシューズたち。自分らしくシーンを選べる、東京発のフットウエアブランドです。