東京生まれのファッション雑貨。台東区周辺の企業による、こだわりの靴・バッグ・財布・ベルト・帽子などを販売します。

FIORAIA - 花のように、人を元気にするものを -

FIORAIAの革小物は、華やかな花モチーフが印象的。でも、中のつくりも完全オリジナルで利便性が高いのです。デザイナーが拘り抜いた末、手のかかる工程を組んで作られた革小物は、デザイン性と利便性の両方を兼ね備えています。

【インタビュー】花のように、人を元気にするものを

デザイナーの鈴木さんは、デザイン力と専門的知識の両方を持ちあわせた方です。彼女の手から生み出される革小物には、パンジーなどの色鮮やかな花のモチーフが。他では真似できないような工程を経て生み出される革小物たちの誕生秘話を伺いました。

楠:FIORAIAのブランド立ち上げの経緯をおしえていただけますか?

鈴木:もともとは生地の商社でOLをやっていたんです。毎日たくさんの生地を扱う職場で、多くの素材に触れることで物づくりに対して興味が生まれたんです。空いている時間でバッグを作って、土日にフリーマーケットで売るようになって。そこで物づくりを自分の仕事にしたいと思い、あらためて専門学校に入ったんです。

専門学校卒業後は、バッグメーカーのデザイナーとして、キャリアを積んだ鈴木さん。
「いずれ自分のブランドを立ち上げる」と決めていたので、「どんなブランドにしたいか」を常に考えていたといいます。
考え抜いた末に「花」をモチーフにしたものづくりをしようと決め、そのタイミングで独立。今のFIORAIAが生まれました。

楠:FIORAIAといえばお花。花をモチーフにしようと思ったのはどういうきっかけなんですか?

鈴木:お花をもらった時の女性って、わぁっとテンションが上がってとても幸せそうに見えますよね。そうした花を革小物にして日々持ち歩くことができないかと思ったんです。

ブランド立ち上げ当初はお客様の誕生日のお花をモチーフにした財布をオーダーメイドで作っていたという彼女。企業デザイナーをやっている時は、売れるものを作るのが仕事。独立したら使う人と商品の距離が近いと感じるものづくりがしたいと考えていたといいます。1年に1度の誕生日の花をモチーフにした財布は、使う人にとって特別な物ですね。

花をモチーフにした革小物の中でもFIORAIAの花柄は多くのブランドがやりたがらないような気の遠くなる作業を経て作られています。

企業デザイナーの時に、売れるデザインやテクニックはどんなものかは十分に習得したうえで、独立後は自分だけのオリジナリティを追求し、生産数の限られる手作業で物づくりを行っている鈴木さん。その理由を聞いてみました。

FIORAIAの花柄は、コンピューターミシンでは縫う事の出来ない枚数を重ねて花柄を作っています。
よく見ると、革が捲れそうな部分はきちんと留めてあります。手作業でないと実現できない非常に細かい仕事です。

葉っぱの形の引き手も完全にオリジナル。摘まんだ時に窪みに指が綺麗にはまるのです。

鈴木:自分の手で作るには生産数に限りがありますし、様々なオファーもお断りしなければいけない状況なのですが、今は自分のやりたいことを、妥協なく形にしてお客様にお見せする時期だと思っています。

納品待ちのお店も多く、鈴木さん自らが遅い時間まで制作をし続けているという状況。コンピューターミシンが対応できるよう少しデザインを変えることも出来たはず。でも、効率よりも、作りたいデザインを実現するために、あえて誰もやらないような工程を組んで作られているんですね。

FIORAIAのお財布は中もすべてオリジナルで作られていますよね。カードポケットの幅や深さやサイズ感など、徹底的に使いやすさにこだわっているのが分かります。
これは男性用のお財布にはよく見られる構造ですが、と鈴木さんに聞いたところ「実は企業デザイナー時代は、男性用のお財布も手掛けていました」との答えが。

見た目はシンプルで機能性が高いアイテムを好む方が多いため、男性用財布は必然的に機能性に重きを置くものが多いのです。

鈴木さんの言葉を聞いてFIORAIAがデザイン性と機能性の両方を兼ね備えている理由がわかった気がしました。
これから先も「花」をモチーフにしたデザインのものを作り続けるという鈴木さん。
女性心をくすぐるアイテムで、これからも私達を楽しませてくれそうです。

鈴木 綾

Profile鈴木 綾すずき・あや

立教大学経済学部卒業後テキスタイルの会社へ就職。その後、文化服装学院バッグデザイン科へ再入学。
レディス大手バッグブランドやメンズファクトリーメゾンなどでハンドバッグ・財布のデザイナーとして10年間勤めた後、2015年に、花や植物の形やカラフルな色使いが与えてくれるパワーや高揚感をいつも手元に持っていてほしいという想いからオリジナルブランド「FIORAIA」を立ち上げる。