台東区とその周辺のエリアは、江戸の昔から職人が集まり、装身具や生活用品が作られてきました。その伝統は明治以降も受け継がれ、昭和期に入ると、帽子やアクセサリー、革製品などの服飾雑貨の産地として発展を遂げてきました。なかでも全国有数の出荷額を誇るのが、靴、バッグ、財布、ベルトなどの皮革産業です。台東区周辺には製造メーカーや資材販売、卸問屋などの関連企業が多く集積しています。
「アメ横」で有名な御徒町から蔵前にかけたエリアは、古くから袋物の町として知られ、財布やハンドバッグを得意とするメーカーが集まっています。観光客に人気の浅草は、古くから革靴の産地として栄えてきた経緯があり、現在も製靴メーカーがこのエリアに集まっています。
メーカーのものづくりを支える、クリエイターが多く住んでいるのも、台東区の特徴です。皮革製品の分野では分業化が進んでおり、裁断、革漉き、縫製、仕上げなどの工程ごとに専門の職人が起用される、高度なもの作りのシステムが構築されています。その一方で海外に製造拠点を持つ企業もあり、予算や納期に応じた最適な商品開発ができる体制が整えられています。
近年では、長年蓄積されたノウハウをもとに、メーカーがオリジナル商品を企画し、「ファクトリーブランド」を手がけることも多くなってきました。こうした「ファクトリーブランド」は、全国の百貨店催事や、展示会出展をかさね、好評を博しています。
産地活性のための様々な取り組みも行っています。そのひとつが台東区が運営するファッション系クリエイターの創業支援施設(台東デザイナーズビレッジ)です。2004年に同施設が誕生してから、新興ブランドのオフィスや雑貨ショップなどが周辺エリアに急増し、メディアの注目度も高まっています。
このように東京の皮革産業は、ものづくりの川上から川下まで幅広い企業が集まっており、業界同士のネットワークを生かしながら、本場ヨーロッパでもまねのできない高品質な皮革製品を生み出しています。
当ウェブサイトは、台東区とその周辺エリアのメーカーが手がける「ファクトリーブランド」の魅力を、皆さんにあますことなく伝えていきます。